純情シンデレラ
「松本さん、おかわりする?」
「じゃあ遠慮なくいただきます」

松本さんからお茶碗をもらったお母さんは、「こんなに気持ち良く食べてくれると作り甲斐があるねぇ」と言いながら、顔をほころばせている。
「自分が作ったものを美味しそうにたくさん食べてくれる人に悪い人はいない」を信条としている料理好きなお母さんは、食欲旺盛な松本さんに対して、かなり好印象を抱いているようだ。

そして、松本さんの隣に座って、一緒に晩ごはんを食べているお父さんも、まんざらではない様子に見える。
ただ、松本さんにあれこれ質問をしているお父さんは、まるで試験官か裁判官のように見えるんだけど・・・。
でも松本さんはずっと楽しそうな顔をしているし、時々笑いながら答えているから、不快に思ってないことは確かなようだ。
私は食堂のテーブル席に、今日もらった花束をばらして活けながら、心の中でホッとしていた。

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