純情シンデレラ
松本さん、「毎回」ここに来るつもりなんだ。
ということは、つまり・・少なくともいけばながある日は、「毎回」送ってくれるってことなのかしら。

それは助かるし、何より・・・嬉しい。
けどそれって・・・いいのかな。
松本さんにとっては迷惑じゃないの?

頭の中でグルグル回っている思考を、松本さんの低い声がシャットダウンしてくれた。

「では、今日は君にごちそうになることにしよう。ごちそうさま。ありがとう」
「どぅ・・いたしまして」

他に言う言葉が思い浮かばなくて、私はただ、松本さんを見ていた。
そして松本さんも無言で私を見ること数秒後。
不意に踵を返すと、出入口の方へスタスタと歩いて行った。

「ほら恵子っ」
「え」
「お見送りしますよっ」
「あ・・あぁはいっ」

松本さんを追いかけるように、私は慌ててお父さんとお母さんの後に続いた。

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