純情シンデレラ
「大津課長。おはようございます」
「おはよう。えーっと、君は電算課の見上君、だったよね?」
「はい」
「今日はどうしたの。電算も仕事かい?」
「いえ。彼女には社内報の入力を頼んでまして」
「そうかそうか。休日なのにご苦労なことだね」
「いえ。これも仕事のうちですから」
「そりゃあ立派な心がけだ。良かったな、出(いずる)。こいつはホントに機械に弱くてなぁ。いつかワープロを壊すんじゃないかと、いつもハラハラしてるんだよ」
「あぁ、そうですか・・」

苦い薬を飲んだときのような顔をしている松本さんが、大きな背中を丸めて、人さし指だけでタイピングしている姿が鮮明に想像できてしまって、私はちょっと吹きだしそうになってしまった。
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