桜龍
駅に着くと改札口まで来てくれた

車内で涼にメールはしたから、たぶん向こうの駅に迎えが来ているだろう

連夜と同じ目線になるようにしゃがんで

『またね、連夜!ちゃんと、霜月と來一の言うこと聞くのよ!わかった?』

小指を出した

「うん、わかった!」

連夜も小指を出してきて、結んだ

「またね!ママ!」

小指を離して、連夜が抱きついてきた

あたしも、抱きしめ返した

『うん、またね!』

電車の発車が近付いてきた

もう行かなきゃ!

改札口を抜け、振り返って手を振った

連夜が來一に抱っこされながら手を振っていた

電車に乗った

やっぱり、空虚感はある…

一緒に暮らすことだって出来るだろうけど…

あたしは、罪を償わなければ

ごめんね、連夜

駅に着いた

改札を抜けたら、車があった

あれか…

近づくと涼が出てきた

「おかえり、紘ちゃん!」

ドアを開けながら言ってくれた

『ただいま!』

車に乗りこみながら言った

「帰ってきてくれてよかった!」

意味深なことを言う涼を見た

『帰ってくるよ!当然でしょ?』

「ふふふ、そっかー!」

何が言いたいのかな?

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