桜龍

学園祭

仕事も順調で何事もなく白龍の奴らと過ごしていた。

『学園祭?』

「うん!この学校は行事にはすごく力を入れてるんだよ!」

ナオがそう言った。

そういえば、そんなことも言ってたなぁ…

「しかも、売上番付で1位になれば賞金が出るんだよ!まぁ、打ち上げ代でなくなるけどね!」

ふーん、たっくんお祭りごと大好きだもんね

『で、何やるの?』

問題はそこだよね

「まぁ、みんな彼女欲しさにホストクラブか執事喫茶とかだろうなー!」

しゅうさん、それってさ…

『あたし、完全に裏方だよね?』

「そうなるねー!」

ナオが悪気のなさそうに言うのが余計に腹が立つ

「裏方の方が楽だから!」

しゅうがフォロー混じりに言ってるけど、全くもってフォローにすら、なってないから

はぁ…もうなんでもいいや…

カタン

「ん?どーしたの?」

ナオに問われた

『んーとね、トイレ行ってくるね』

「えっ!付いていこうか?」

しゅう、トイレに付いてきてどうするの?

『大丈夫!』

そう言って、教室を出た

まぁ、あたしが居ても決定権はないからもうなんでもいいやー!

屋上にでも行こうかなー?

最近は思い出さなくなったけど、ふと思い出してしまう時がある

――ガチャ

屋上へ来た

『んー、やっぱり外は気持ちがいいなー!』

伸びをした

フェンスに寄りかかりスマホを取り出した

フォルダーから、連夜の写真を見た

來一と楽しそうに遊んでる写真を見るだけで会いたくなってしまう

――ppppppp

電話をかけた

「おかけになった電話は現在電波の届かない場所にあるか電源が入っておりません。発信音のあとに伝言をどうぞ!」

ピー

『あの子は元気に過ごしているみたいだよ。あたしは、仕事が立て込んでここ最近は寝不足かもしれない。最近は、睡眠時間が少なくなったからかもしれないけどおかげで、魘(うな)されることはないよ。仕事が落ち着いたら会いに行くね。じゃあ、またね。』

ピッ

電話を切った

また連絡しちゃった…

分かってるんだよね…

彼が出ないことも…

だけど、報告のようにたまに連絡してる

前は1日に何回もしなければ狂いそうになってたけど、最近は仕事が忙しいこともあって、電話する回数が少なくなった

――ガチャ

スマホから扉の方へ顔を向けた

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