桜龍
あいつは、あたしらを自分の道具と思ってるが、あたしはあいつには何の価値もない事は知っている

が、依頼を受けてやっているのは、こいつを知ることが出来たのは、アイツのおかげだからな…

それだけだ

向こうは言葉を選んでいるのか何も言ってこない

『言いたいことを言ってみろ。』

別に言いたいことがなければいいが…

「お前だけだぞ!あの御方にケンカを突っかけようとする奴なんて!」

ケンカ売っても、どうせアイツじゃあ勝てやしねぇよ…

『別にあんな奴喧嘩相手にもなんねぇし、あたしらにはなんの被害も受けねぇからな』

あいつがあたしに勝てる可能性なんてないんだから

「お前があの御方の力を知らないからそんな事言えんだよ!」

こいつは…

あいつの力だと?

そんなもん、ねぇのに…

しかたねぇな…

『うるせぇ!グダグダ言ってる暇があんなら、さっさと繋げろ!テメーの御託に構ってる暇なんてこっちには、ねぇんだよ!』

クソッ!あのヤローが関わるといつもコイツがこうなっちまう!

これからは、少し考えるか…

「冷静に対処しろよ」


――ピッ


ふっ

冷静にね…

それは、相手次第だろうが…

――ppppppppppp

――ガチャッ

「もしもし」

ふーん、本人に繋げたのか

『あたしです。』

とりあえず、敬語で話してやるか…

「おぉ、Butterflyか!久しぶりだな!」

こいつは、あたしのことをButterflyと呼ぶ

本名なんて教えたらこいつの思うつぼだからな…

『お久しぶりです。水縞(みずしま)様』

こいつは、水縞と言う大企業の会長だ

「さっき、Tigerにも連絡したんだが…」

Tigerは、あたしのパートナーでもあり、水縞がTigerを救った人に当たるのだ

『えぇ、その事なのですが…』

さて、どうやって黙らせようか…


< 69 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop