爆走姉貴ー星路の苦悩ー
顔を上げると、美月の笑顔があった。



「あまり凹むな、気持ちはわかる」
「美月……」
「ショックだよな?」
「うん……」



美月は優しく、俺の髪を撫でている。

美月もこんな風に慰めてくれたりするんだ?
絶対にからかって笑うのかと思ってたけど……。




「ありがとな、美月」
「気にするな、当然の心遣いだ」



美月は笑い、言葉を続ける。




「だって……エッグにマウス・トゥ・マウスで人口呼吸されたなんて…」
「――――?!」


蔵野さんとマウス・トゥ・マウス?!


つまり………。

キス―――っ!?!




「何ぃ――――っ?!」




何てショッキング!

傷心に塩を擦り込む様な現実をつきつけてきたぁ!





「なななっ!どどどっ!」
「ははは!動揺してるな」
「どういう事?!」
「気を失う星路を見てたら、いたずらしたくなった」
「いたずらで済む範囲か!最悪、精神崩壊に繋がる出来事だけど?!」
「だから励ましただろ?凹むなと」



そっちの意味?!
今告げる事かっ!
一生黙っておく思いやりは無いのかよっ!



何て事をしてくれてんだよぉっ!!



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