爆走姉貴ー星路の苦悩ー
爆走2 自称愛の天使・美月

星路の恋路

目が覚めた俺は、自分の部屋のベッドの中に居た。




あのままキャバクラで倒れた俺は、蔵野さんと美月により、自宅まで運ばれたらしい。




目が覚めた俺に、美月はあの後の状況を説明してくれた。



ベッドで横になる俺の上にあぐらをかいて。
しかも水色のベビードール姿で。



普通に座れないのか?






「大変だったんだぞ?救急車の騒ぎになるし、ユイちゃんは泣き出すし」



ユイちゃん…美鈴か。


そうだ。
俺は美鈴がキャバクラにいたショックで、気を失ったんだな。




「エッグのベンツで運んだんだぞ?」
「……ごめん」




俺の謝罪に、美月は大きな瞳を瞬きした。


「何謝ってるんだ?」
「いや…迷惑かけたし」



まぁなと、美月は小さく笑い、腕を組む。



「お前、ショックだったんだろ?」
「…………ああ」


彼女がキャバクラでバイトしていた。
なぜなのか、考えてもわからない。

美鈴に限って……その信じていた気持ちの深さの分、どうしていいかわからなくなったんだ。





うつむく俺の髪を、くしゃりと何かが撫でた。






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