爆走姉貴ー星路の苦悩ー
「昨日さ、美月さんから電話もらったんだよ」


いつの間に携番を教え合っていたんだ?



「星路が美鈴と会うって聞いたからさ、俺も気になって」
「そうか…」
「で、美月さんも心配だから、様子を見に行こうってなったんだ」




心配?
美月が?


はっ!嘘だね!
引っ掻き回したいだけだって言ったし!


大体美月が娯楽以外でセッティングする事自体が怪しかったんだ。



俺も、ここに来るまで騙されていたけどな。







「でも良かったぁ!拓也くんが来てくれて!美月、一人じゃ心細かったもん」
「美月さん一人にしたら、ナンパもウザイだろ?男よけって事で」
「拓也くん優しい♪」



ははは……なぁにが心細いだよ。
そんなタマじゃねぇだろ?




「……星路、タマって言うな」
「?!」



あれ?!
俺…今言ってはいないよな?!



つか美月、タマに敏感なんだな。
手術したいくらいだし?








「あ、美鈴が来たぞ」
「えっ?!」




拓也が窓の外を指差す。


その先には、交差点を渡り歩いて来る美鈴の姿が。



途端に緊張が込み上げる。




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