永遠の約束
ランチを食べながら、他愛のない話をする。
あの頃は、淳史とこんな風に話せるなんて思いもしなかった。
こんなに近くにいるから、"好き"な気持ちは消えないけど、さすがに想いを隠すのは上手くなったと思う。
ただの同僚・ただの同期を演じている。

ランチを食べ終わると、早々にトレイを片した。
淳史が自販機でドリンクを買っている。
紙コップを2つ持ち、1つを私の前に置いた。
「ありがとう」と口をつけると、いつものミルクティ。彼はブラックだ。

「いつも悪いな」
「仕事なんだから、大丈夫だよ」

そう。
ブライダルフェアがあるときは、大抵、淳史に呼ばれて応援に行かされる。
参加するカップルの受付や案内、模擬試食の配膳、ドレスやタキシードの試着の手伝いなどが主な仕事だ。
だから、今回もそうだと思っていた。

「今度のブライダルフェアは、12月10日の土曜日。今年最後だし、クリスマスが近いから、クリスマス仕様にして、いつものフェアよりも大々的にやろうってなってる」

私は手帳を開いて、その日に予定を書いた。

ちょっと待って、この日って…

「あぁ。誠と雪菜の結婚式だけど、どうせ出席しないから関係ないだろ」

やっぱり淳史も欠席なんだ…



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