男気スイッチ
会社に向かう途中隼人は健二に電話をかけた。 『おはよう起きてるかー』 『ああ 昨日は助かったわ、今日帰りに飯ご馳走させてくれ 』 『 またあとでな』 『おう わかった』 どうやら首尾は上々 健二も仕事を片付けて事なきを得たようだ。 電話を切ると、買置きしておいた ツナむすびを食べてお茶を飲み朝食を済ませた。 『よし、 今日も気合いをいれていこう』 赤信号が青に変わると巻き込み確認をして、左折しそこから30メートル程さきの銀行の隣にある会社の駐車場に車を停めた。 車から降りて会社のオフィスへ向かう。 自動ドアをまたいだとき、受付嬢のさおりが挨拶してくれた。『おはようございます。』 『おはよう』 この受付嬢の花沢さおりは外見から来る知的な印象にそぐわぬ、なんとも甘えた声の持ち主であった。 どうやらこのギャップが男心をくすぐるらしく、隼人をはじめ会社の男性陣からは、なかなか評判の良い社員だ。 そのせいか女うけはあまりよろしくないようだっだ。
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