こじれた恋の終わらせ方
津田さんが冷ややかな視線を向けてくる。


「お好きなのは勝手ですが、僕と結婚したら、辞めていただきますよ?」


「まだ、あなたと結婚すると決まったわけじゃありません!!」



むしろ、絶対に嫌だと思った。


ここに来るまでは、諦めモードだったが、この人が生涯の伴侶なんてごめんだ。



私は、今の仕事が好きなのだ。



家具が作りたくて、わざわざそれを学びに関西の大学まで行ったのだから。


結婚したからって簡単に辞めたりはしない。


それに、うちの会社は確かに小さいが、一つ一つこだわりを持って作られた家具は評判も良く、ファンも多い。


会社の大きさ何かで判断してほしくない。



ジッと睨むと津田さんは大きなため息をついた。



「わかりました。結婚しても仕事は続けてかまいませんよ。」



「だから、あなたとは結婚しません!!」




「今更何を言ってるんですか?」




「今更も何も、私は会うだけだからと言われてここに来たんです。

 あなたと結婚するだなんて一言も言ってない。」




「私はね、あなたのお父さんに、娘と結婚して病院をついでと頼まれたんですよ?

 そのために大学病院まで辞めたんだ!!」



「それは大変申し訳ありませんでした。

 でも、私はあなたとは結婚するつもりはありませんから。」



「話のわからない人だな~」



それはお前だ!!

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