こじれた恋の終わらせ方
それから津田さんは一方的にしゃべり続けた。


自分がいかに優秀か。


津田さんのお父さんは国立大学の医学部の教授で、その息子である自分が九条病院を継ぐことがいかに九条病院の利益になるかを熱く語った。



でも、津田さんがいかに力説しようが私の心には響かない。



彼が語れば語るほど、私の心は冷めていく。




もはや、津田さんの声もここに座っていること自体苦痛でしかない。



水野なら相手をこんなに不快にさせるようなことは言わない。


水野の声はもっと低くて落ち着いている。


水野はもっと・・・



今の現実から目を背けようとすると無意識に水野を思い出して、津田さんと比べてしまう。


こんなんで水野を忘れられるわけがない。


そう思うと何だか笑ってしまった。



その瞬間、津田さんに腕をつかまれた。


「もう、こうなっては仕方ない。上の部屋でゆっくりと話しましょう」


「は?」


マジで何言ってんだこの人。


「大丈夫です。部屋は取ってありますから。」


「?!」


全然大丈夫じゃない!!


「いやです!!絶対に行きません!!」


周囲の視線がこちらを気にしている。


でも、今はそんなこと気にしていられない。


何が何でもこの状況を回避しなければ!!



無理やり立ち上がらされて、必死に抵抗する。



「ホントに、止めてください!」


「まぁ、麗華さん落ち着いて」


名前を呼ばれて全身に鳥肌が立った。



その時、津田さんに掴まれている反対の腕を誰かに掴まれた。



「すいません。これ俺のなんで。

 返してもらえますかね?」



声を聴いてまさかとは思ったけど、振り返った先にいたのはやっぱり水野だった。

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