こじれた恋の終わらせ方
「ちょっと待ってよ!!水野!!水野ってば!」


ずんずんと歩いて行く水野に声をかけながら追いかける。


最寄りの駅に着いたとき、水野はやっと私を振り返った。



その表情からすごく怒っているのがわかる。



「俺の部屋とお前の部屋どっちがいい?」


「え?」


「だから、俺の部屋とお前の部屋どっちがいい?」



「な、何でそんなこと選ばなきゃいけないのよ?」



「ちゃんと話す必要があるからだろ?まさか、昨日のことをそこらへんの店で話せないだろ?」


昨日のことと聞いて顔が赤くなるのがわかる。


その顔を見られたくなくて下を向いた。



「ちゃんと話す必要なんてないよ。昨日はちょっと嫌なことがあってそれで酔った勢いで・・・」


「それ、お前マジで言ってんの?」


私の言葉を遮るように発せられた水野の声は私が聞いてきいたことがないくらい低かった。



水野の顔を見るのが怖くて顔が上げられない。


「お前は、今朝、俺が起きてお前がいないのに気づいたときどんな気持ちだったかわかるか?

 俺が、携帯見たときどんな気持ちだったか、お前が見合いしてるって聞いたとき・・・・」


そこまで言いかけて、水野はそれ以上言うのを止めてしまった。



私たちの間に沈黙が流れる。


私たちの間にこんなに気まずい空気が流れたことがあっただろうか。

いや、ないと思う。


こんなはずじゃなかったのにと、涙が出たとき、水野が小さな声で言った。



「お前は酔った勢いだったかもしれないけど、俺はお前が好きだったよ。」
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