欲しいものがある。
~境界線は何処?~
中学の時、確かに、私は男子に告白をされた。


それは、初めての出来事だったはず。
それなのに、しつこく想いを伝えてくる様に怒りを覚えたような気がする。

色恋沙汰とか、中学生でも周りは色々あるみたいだけど、普通に笑いあってたら、好きとか言う感情になるもんなの?


心が幼かっただけなのか、そもそも、その男子が嫌いだっただけなのか。


今となっては過去の一ページ。



「彩~、放課後これからカラオケ行くよー。まぁ、いつものジュンたちとだけど。来る?」
「ごめん、ミカ。今日は塾だった、また誘って」
「えー、彩来ねぇのかよ~つまんね~」
「今日は男四人だな」
「ちょっと、何あたしまで男扱いしてくれちゃってんのよ!」




昇降口で五人グループになってわいわい騒ぎながら、それぞれ歩いている私たち。
ジュンをはじめとする男三人と、かけがえのない存在、ミカ。

高校生になってからずっとこのメンバー。

高校生活をそれなりに謳歌している。


だけど、私たちはもう高校2年。
進学を希望する私は、一年の時から地道に週一ペースで塾に通っている。


最近はそれが億劫でたまらない。
10月に入り、木々たちは秋らしく徐々に紅葉の色を見せ始め、趣のある広葉樹を展開させている。

それと同時に気温がぐっと下がる現在、午後6時。



もうすぐ、先生が変わってやりづらくなった塾に着きます。
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