【完】朝食は、遅めにランチで。
「そうだよ。だからこんなに長く一緒にいるんだし」
ノブ君はそう言って、にっこり微笑んだまんま私の瞳をじっと見つめた。
あまり見せることのないノブ君の甘い笑顔に、私の心臓ははち切れそうだ。
「……俺、人生どんな時でも無計画でやってきたけどさ、今回の旅行で絶対これだけはやるぞって思ってた計画が一つだけあるんだよね」
「ふうん……何かな?」
「これ」
そう言ってノブ君が上着のポケットから取り出したのは、黒い小さな箱だった。
ガラステーブルの上に乗せられたその箱はきっと……
「婚約指輪」
「って、そこ言っちゃうの!?そこは、私が箱を開けて中を見るまで待とうよ!」
乙女チックなときめきは、ノブ君の一言でものの数秒であっけなく終わってしまった。
「ごめん……そこは無計画だった」