伝説の華

過去~奏~

奏side

ゆめとと話してからあおは前より明るくなり、さくは前より笑顔が輝いていた。

正直言ってすごいと思った。

あおはあの事件があってから前より暗くなり、さくは最初の頃は心を開いた人にしか笑わなかった。

そんな2人をほんの数時間でかえるなんてさあ、普通の人じゃできないよ。

だから、俺の心も救ってくれないか?

ゆめとなら真っ暗な闇の中をさまよっている俺を光に連れて行ってくれそうな気がする。

これが最後の希望。

君に頼ってみてもいいよね?

学校に着くといつものように女子に囲まれているゆめとがいた。

いつもと変わらない風景だと思っていたら、ゆめとの髪に金のメッシュが入っていて耳に金色のピアスがつけられていた。

男の俺でも惚れそうなぐらいだった。

君の顔は笑っているけれど心から笑えていない。

まるで俺のように。

その時初めてゆめとも闇にいることが分かった。

俺よりも真っ暗で深いふかい闇の中に。

君は何を抱えていて何で苦しんでいるんだ?
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