クリスマスイブの贈り物
「マヤは彼とハワイアンクリスマスするんだって」

「あっそ。スゲーな」

「そこまでわがまま言わないよ。国内のホテルでいいから」

その国内のホテルでさえ、俺には手の届かない難題なわけ。
どうして分かってくれねーんだよ。

「そういう男がいいなら、他当たってよ」

「え? 祐生?」

「俺には無理だから。バイバイ」

そのまま、俺は愛奈の部屋を出た。
意地になっていたし、自分から折れる気にはならなかった。

一週間待っても電話は来ない。
二週間待ってもメールは来ない。

三週間目にはもう自信がなくなっていた。
そもそも、一流企業勤めのお嬢さんが、俺となんか付き合うわけがなかったんだ。

喧嘩と仲直りのサンドイッチ。
パンは、喧嘩の方だったらしい。
サンドイッチは完成。もう仲直りはない。これでどうぞお召し上がりください。

釣り合いの取れないふたりには、きっとこれがお似合いなんだよ。
そう納得して忘れたつもりだったのにな。
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