7年越しのふたりの約束
「ねぇ、尊は私に特別な指輪を作ってくれてるの。この意味分かるわよね?……昔の彼女が一緒に働いてるなんて嫌だわ。……あなたが、辞めないなら業務提携の話はなしにしましょう。」
会社の全体集会の場に現れた、女は私の目を見ながら、社長目掛けて大きな声を放った。
ー特別な指輪ー ー昔の彼女ー
その言葉が心に大きな影を作った。
イタリアとの時差なんて気にしないで、何度も何度も尊に電話をかけが、一晩中着信を待っても折り返しかかってくることはなかった。
その時は、必死だったが、この2年まともに連絡なんてなかったんだから、今さらあるわけもない。
でも、7年目の約束があったから頑張って来れたんだ。
この約束のために、どんなに辛くても、約束の7年目のクリスマスを最高に過ごすために、耐えてきた。
でも、限界だよ……。
尊、あなたを信じたいけど、信じられない私がいる。
どうすればいいの……。
だから、あなたは来ないかも知れない場所に、私は来たよ。
一人で…。