ひとつの輝き

「沈んだ顔してる」

突然、渉先輩の低い声が響いた。 

「えっ…」 

「どした?」


気づいてたのかな…

だよね…そう言ってくるって事は。 


親…

学校…

わけのわからない噂…


もう…うんざりだよ。


あたしは顔をしかめて、もう一つのブランコに腰を下ろす。 


古びたブランコはギーギーとやけに耳に響く音で、余計にあたしの顔をしかめさせる。 




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