こんな男に誰がした!
せめて、叔母さんからの情報が欲しいが、今、会社の前にいる彼女に対応してもらうのは、無理がある。
「さやかさん、もうちょっと待ってくれますか?今仕事を終わらせますから。」
「わかった。でもできるだけ早くお願い。」
携帯を切った。
「浩輝さん、さやかさんに会うのですか?」
片桐さんがいたのをすっかり失念していた。
「うん、様子がおかしいから、叔母さんに連絡して、それから会おうと思う。」
「浩輝さん、叔母さんに連絡するのはいいですが、お会いなるのは止めた方がいいと思います。結婚式のこともありますし、今何かトラブルがあるのは、まずいですよ。」
「しかし、突き放すことはできないよ。」
「いけません。弥生さんのことを一番に考えてください。さやかさんに会ったことを知ったら、弥生さんが傷つきますよ。」
俺は、頭の中でいろんなことを考えた。
「兎に角、叔母さんに連絡するよ。」
俺は、再び携帯を握った。