こんな男に誰がした!
「浩輝、突然ごめんなさい。」
「いや、昨日カンナさんから連絡もらっていたから。」
俺は、さやかさんを祖父母と片桐さんに紹介した。
さやかさんは、俺と二人きりで話したいと言う。
これには、片桐さんが黙っていなかった。
「私は、認めるわけにはいきません。浩輝さんは、結婚を諦めるおつもりですか?以前から、何回もご忠告しましたよね。」
さやかさんの前でも、強気な片桐さん。
俺の事を心配してくれているのだ。
彼の気持ちは、よくわかっているのだ。でも、俺は、どうしても、さやかさんを無下(むげ)にはできない。
「片桐さん、30分でいいよ。あなたがドアの前にいてもいいから、二人きりにしてくれないか。」
俺は、今しかさやかさんの願いを聞いてあげることはできないと思うから、片桐さんに頼み込んだ。
「わかりました。30分だけですよ。私は、リビングの外で待機してますから。」
「ありがとうございます。」
とさやかが俺の代わりにお礼を言う。
苦虫を潰したような顔をして、片桐さんは、出ていった。