悪役の私
もちろん私たちは2人とも不機嫌になり、無言のままの状態が続く。
とりあえず差し出された料理を食べ終えたら、すぐ帰ろう…。
サクッと食べて、荷物を持って席を立とうとすると、優しく腕を掴まれる。
「ねぇ、ちゃんとお話しよ?」
…いつも、何かあると私はすぐに逃げ出そうとしてしまう。
優に、嫌われたくなくて。
でも優はお互い納得するまで話し合おうって言ってくれる。
…私って本当、子供だな…。
優はいつもちゃんと私の話を聞いてくれるから、決して言い合いにはならない。
私の話を吸収してから返事をしてくれるから、私も優の話を一度吸収するようになった。
こうしてしっかりと話し合うというのは、優と一緒にいるようになって初めて知った。