悪役の私
「…俺、西沢さんのこと、泣かせてばっかりだね。」
ぎゅっと抱きしめられると、こんな状態でもやっぱりドキドキしするし恥ずかしい。
…でも、安心する。
「ごめんね…」
優のこと、困らせてごめん。
大人になれなくて、ごめん。
醜い女で、ごめん。
「俺もごめん」
…私達は、このままではダメだとわかっているはずなのに、また、なにも見ないフリをする。
今まで、何度優のことを諦めようとしたんだろう。
その度に何度、やっぱり好きでいたい、と思ってしまったんだろう。
同じことの繰り返し。
それでも、また何度も、何度でも繰り返すんだろう。
…こんなんでも、幸せになれたりするのだろうか。
いつか、心の底から幸せだと言える日は
来るのだろうかーーーーー。