悪役の私







「あっ、ごめん…。」






考え事をしている時や、本当に疲れている時は目線を少し下にして、他の話があまり耳に入らなくなる優。





だから優は今、本気で私と彼女について考えてくれているんだろう。






「今日はもう帰ろっか!」





今日はこれ以上一緒にいても、優はずっと考え込んでしまう一方だから。




「優の誕生日、色々考えとくね!」




「あ、ありがとう…」






そのまま会計を済まし、外に出る。





そのまま帰っていく優を見て、なんだか少し寂しくなった。





もっと一緒にいたいのに。




離れたくなんかないのに。




私はいつも、素直にそう伝えることが出来ない。




断られるのが怖いからって、大人ぶって平気なフリをしてしまう。







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