悪役の私
…ねぇ、優。
今更泣くなんて、ずるいよ。
勘違いしてしまいそうになるよ。
このまま私を連れてどこかに逃げてくれればいいのに。
そんなことを出来ない優が、私は好きだ。
…少し小さい身長も
おっちょこちょいな一面も
子供みたいに笑った顔も
急に大人の顔になる時も
どんな一面も
すごく好きだよ。
悪役は最後、好きな人と一緒にはいれなくて
ヒロインと主人公の幸せを
そっと陰で見守るものでしょう?
優を忘れることが
私にできる優への最大限の愛情表現で
それが私の役目。