悪役の私
私達は元々仲が良かったからか、2人で会っているところをだれかに見られても全然問題は起きない。
だからきっと、家に連れて来たところで誰かに怪しまれることもないだろう。
ただもちろんだが、2人きりになれない限り恋人らしいことは出来ない。
それが私達の望んだ関係なのだ。
…それでもいい。
キスが出来なくったって、手が繋げなくたって、一緒にいられれば、それだけで私は幸せ。
優といればいつでも笑っていられる。
くだらない会話が、私に向けてくれる笑顔が、たまらなく愛おしい。
…それだけでいい。
それ以上なんて望まない。
潤と別れてまで一緒にいたいと思えるほどの強さがない私に、
それ以上を望む資格なんてないってことは
自分で理解してるから。