もう一度出会えたら
「………………………」
『………………………』


私が手を離さないから…彼を困らせている。


離さなきゃ!そう思って無意識に手元に落ちていた視線を上げた。


彼を見て、もう一度笑顔で言って離すつもりだったのに


「……気をつけて


言葉の途中で急に視界が揺れ体のバランスが崩れた…と思ったら


繋がっている手を引かれ、彼の腕の中に包み込まれていた。


彼の囁く声が耳に流れてくる…。


『そんな風にされたら帰れなくなります…。さっきはああ言ったけどやっぱりコーヒー頂いてもいいですか?』


彼の腕に囚われたまま、首を縦に振り、彼を家の中に招き入れた。


最終的には自分から誘ってしまったのに、どうしていいか分からない。


とりあえず、コーヒーでも淹れようと彼から離れようとした時、


パシッと腕を掴まれ行く手を阻まれてしまった。


『どこに行くんですか?』


「えっと…コーヒー淹れようかと思って」


そう言ったのに、掴まれた手を引かれ彼の隣に座らせられた。
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