もう一度出会えたら
「今日のお昼ご飯は私が作るよ」


大した物は作れないけど、父の好きなチャーハンとコンソメスープを作った。


2人とも喜んで食べてくれ、あっという間に帰る時間が近づいてきた。


1泊2日だから…短いのは仕方がない。寂しいけど次はすぐお盆もくるし


「またすぐ帰って来るから。行ってきまーす」


と元気よく家を出た。


母が呼んでくれたタクシーに乗り駅に向かう。


あと数時間後にはまた東京で、明日からまた1週間が始まる。


だけど実家で元気もチャージ出来たし心は軽かった。


東京に向かう新幹線の中からも、昨日と同じように富士山を見てまた感動していた。


今回の帰省では、私が元気を貰うばかりで大した事は出来なかったけど帰る間際に手渡した結婚記念日のお祝いも喜んでもらえたし少しは親孝行ができたかなぁと思う。完全な自己満足ではあるけど。


後少しで東京に着くというところで、母からのLINEが入ってきた。


“知らない人には着いて行かへんように。家に着いたら必ず連絡してな”


いつまで経っても、子供は子供なんだなあと母の愛を感じてしまった。
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