もう一度出会えたら
家に着くと約束通り、すぐに母に電話をした。


今日は流石に疲れて晩御飯は作れないと思っていたから新幹線の中で買ったお弁当を食べ、お風呂に入った。


明日からの長い1週間に備え早めに寝る事にした。


朝、いつもの月曜日とは違って気分良く起きる事ができた。


月曜に関わらず、最近はこんなに気分のいい朝はなかったから実家のパワーはやっぱり最強なんだと再確認した。


不健康だった心が、リフレッシュできて健康に戻っていくみたいだ。


歯磨きをして顔を洗い、朝食と準備を済ませるといつもよりも少しだけ早い時間に家を出た。


足取りも軽く鼻歌まで歌いながら、誰も乗っていないエレベーターに乗り込み5の数字を押して閉じるのボタンを押そうとした時、


『すみませーん、それ乗りまーす』


と聞き覚えのある声だと思ったら大翔が滑り込むように乗り込んできた。


『…ありがとう』


両手を膝につき、肩で息をしながら大翔が斜めに顔を上げ目線をこっちに向けながらそう言った。
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