もう一度出会えたら
いつもと同じように声をかけ、大翔もいつもと同じように返事をした。


『はぁ…今日も暑くてヘトヘトだよ…。あとこの報告書だけ入力したら今日はもう終わりだから先にこの間のカフェで待ってて。10分ほどで片付けてすぐ向かうから』


「うん、分かった。じゃあ先に行ってるね」


18時ジャスト


お店の柱にかかる大きな時計の針が約束の時間をさした時店の入り口のドアが


開き仕事を終えた大翔が入ってきた。


私の姿に気づくと、いつもの優しい笑顔を見せてこっちに向かってきた。


『待たせてごめん…』


「ううん、こっちこそ、急に言ったのに時間作ってくれてありがとう」


私の向かいに座ると、急いで来てくれたのが分かるほど額に汗が滲み出ていた。


ハンカチを出し汗を拭いた大翔が、店員にアイスコーヒーを頼んだ。


「私のせいで無理させてない?…仕事の方は大丈夫だった?」


『今日はどのみち報告書だけで終わるつもりだったから大丈夫だよ。…で朝比奈の話って、例の返事…だよな?』


「う、ん……」
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