もう一度出会えたら
と言ってファイルを手渡された。


その時の私はきっと怯えていたはずなのに彼女は私と彼を交互に見るとニッコリ笑って


『それじゃあお大事に』


と決まり文句を言って去っていった。


しかも蓮のお母さんになってたけど誤解を解く余裕さえなかった。


彼の視線が怖すぎて……


今朝は気が動転してたとは言え、あんな形で逃げ出してしまったのは私。


それに関しては何も言い訳が出来ない。


それに昨夜の記憶もないから彼に迷惑をかけてしまってるかもしれないし、とにかく謝罪するしかない。


蓮は退屈になってきたのか膝の上から降りたそうにしてモゾモゾと落ち着きがなくなってきた。


小児科待合席の一角にあるプレイルームを指差しながら


『あしょんでいい?』と聞いてきたので


「すこしだけね」と言って蓮を降ろした。
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