もう一度出会えたら
『はい?』


やっぱり私は彼に良い印象は持たれていないのだろう。


正面に立つ彼に向き合い勇気を振り絞った。


「あの、謝りにきたんです。今までの事を。先週も随分とあなたに迷惑をかけたみたいだし…だけど、やっぱり私は来るべきじゃなかったです。すみません。」


『別に迷惑だとは思ってません…』


「えっ…でも….」


『それより、お子さんの風邪は治りました?それに今日は預けてきたんですか?』


彼の問いに激しく違和感を感じ、


「なんで…私が預けるんですか?」


そう言うと、そんなことを言う私を彼は不思議そうに見て言った。


『何でって、母親なんですよね…』


彼がまだ話している途中だったけど彼の誤解を早く解きたくて


遮る形で大声を出してしまった。


『え?違います!!母親って…なんでそんな事になってるんですか?』


思った以上に大きな声だったらしく周りを通り過ぎていく人達が


チラチラと私たちを見ていく。


目の前の彼も私の大声に驚いている。
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