17年ぶりの夜
コウヘイの部屋に誘われ、上手く断れないままに手を引かれ、エレベーターに乗り込む。

私は少し酔っているかな?
言い訳なのも
自分で気付いてる。

コウヘイの部屋は大きな窓が印象的なスイートルーム。
目の前にベイブリッジが見える夜景が綺麗な贅沢な部屋だ。
私が窓のそばに佇むと、
「この方がよく見えるよ」と明かりを消して私の隣に立つ。

私は鼓動が跳ね上がる。

「この部屋に来たって事は、俺の気持ちがわかってるって思っていいのかな?」

そうコウヘイは囁いて、私の体に腕を回す。

「…飲み直すんじゃあ…ないの?」私が腕を解こうとすると、

コウヘイは私の左手の指輪を掴み、

「おまえさ、5年前に離婚しただろ。なんで指輪外してないの?」とそっと耳に唇を付ける。

私は驚き声が出ない。

「驚くなよ。俺が知ってるって思わなかったのか?」
と私の指輪を外して床に落とし、ゆっくり唇を重ねてくる。

「…思わなかった…」と囁くように言うと、

「俺はまだ、結婚してないよ。
サトミには結婚してるって言った方が油断するかなって思って…嘘をついてみた。
おあいこだろ。」とくすんと笑って私を抱き上げベッドに運んだ。



「サトミがひとりにになってくれて良かった。」と真面目な顔で言うので、

「…コウヘイもひとりでいてくれて良かった。」と私が見つめると、


「やっぱり、また、好きになっちゃったな。」

とコウヘイは照れたように笑って私の唇を深く奪った。
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