聖なる夜に~涙はそっと絡め取られて~


部屋に戻ると、荷物も何もかもを床に落として、熱いキスをされた。
まるで何かに急かされるように、キスを重ねながら、ベッドに流れ込む。

彼の愛撫が、彼の熱が……。
あたしを包み、傷を薄めていく。

「梓さん……」

「島……崎……さ……!あっ」

背中に腕を回して。
今この瞬間、必死に胸に刻みつける。

これはまるで、一夜の夢なのだろうか。
夢ならどうか覚めないで。

「泣かないでください」

快感が涙となって、頬を濡らす。
彼はそれを唇に吸い取り、味わうように、舌で絡め取る。

こんなにも激しくて、こんなにも温かい愛をあたしは知らなかったから。
涙は何度も頬を流れ、そのたびに、そっと絡め取られた。

「梓さん……好き、です」

彼の言葉。熱。愛撫。
全てがあたしを夢中にさせる。

さっきまでの傷なんて、どこかに消えるくらいに。

……これは、サンタがくれたプレゼントなのだろうか。
この愛おしい、気持ちは。

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