仮に君と恋をしたなら
そして「大当り!もう1本プレゼント」という文字がパネルに流れた。
「ヤベー!山田、もう1本だって!」
「え?!」
「お前、スゲーな!」
私がすごいわけではない。ただラッキーだった。
「もう1本、せーので押すぞ!せーの…!」
同時に伸ばした手は同じボタンを指を並べて押した。私たちは顔を見合わせて笑った。
「流石だな、俺たち。3本目はやっぱサイダーだろ」
「うん。炭酸欲しい」
真山は取り出し口から3本取り出し、両手で器用に持った。
「持つよ?」
「ヘーキ、ヘーキ。どっちからいく?」
ミルクティーかサイダーなら今は先に炭酸が欲しい。
「炭酸」
「振る?」
「振らない!着替え無い」
「あったら振るのかよ!山田、プール掃除ん時も振ってたもんな」
それは真山が手伝いに来た時、サイダーを差し入れてきたから。その時私は炭酸が噴き出すことに対して少し興味があったこともあって、どうせ掃除するしジャージだし着替えもあったので思い切って盛大にサイダーの缶を振ったのだ。
「もうしないよ。もったいないし。でも、アレは楽しかった。ベタベタしたけど」
「だな。半分以上無くなってたし、振りすぎ!でも、マジ笑えた!」
「怒られたけど」
「な」
真山はサイダーの缶の蓋を開けて私にくれた。