仮に君と恋をしたなら
「は、離すっていうか…これ…」
「ビックリした…」
「え、こっちのセリフなんだけど!」
「え?山田が指の間割ってきたから、そういう事かと思ったんだけど。違うの?」
えーーー!!
私のせいなの?!真山がそうなるように仕向けたんじゃん!
「違うよ!真山がそのまま開いてって言うから…」
「や、そのまま開いたら手が重なるから自然と流れで繋げるんじゃないかとは思ったけど。一旦離してからだと改まって繋ぎにくいだろ?流れのままの方がいいと思ってそう言ったんだよ」
な…じゃー、私の所為だよ!
そうだ、真山はそういう奴だ。
でも、いきなりこの繋ぎ方は…まだ普通にも繋いでないのに。
「そ、そうだね。その通りだ…」
…今、離すと言ったら失礼?
指に心臓が移ったみたいに付け根がドクドクと脈打ち、若干痺れ出している。
「スゲー、指に心臓があるみてー」
「え…?」
「どっちのか分かんねーくらいドクドクいってんな」
真山も同じことを思ってたんだ…そんで、そういうことを言えてしまうんだ…私は知られてしまったら恥ずかしいとか思ってしまったよ。
「ごめん、痺れちゃった…、離してもいい?」
「おう、悪い」
私たちは手をほどいた。