仮に君と恋をしたなら




同じだったんだ。私だけが脈を乱してるのだと思っていた。自分でいっぱいいっぱいになって気づかなかったんだ。



「やっぱ、いきなりはレベル高いよな。あれだろ?恋人繋ぎとか言うやつ」

「多分」

「多分て。なんつーか、照れるな 」



私の指の痺れは徐々に引いていった。真山にばかりリードされていたから、今度は私から右手を伸ばして真山と手を繋いだ。



「!」

「痺れ、治った」

「おう、良かったな」



私が真山の手を掴んだら、一瞬ピクッと指が跳ねた。その後、真山も手を握り返してくれた。




「一周回ったら、出よっか。あと、ファミレス寄りたい。ノート写させて」

「おう、分かった」



私たちは手を繋いで、湖の回りを一周して愛育北公園を出ることにした。



手を繋いでいるから真山との一定距離範囲内を歩いているけど、歩く早さや歩幅の違いで少しずつ距離が出来ることがある。真山は私が少し遅れるとそれに気づいてペースを合わせてくれる。

手を繋いでいると、歩くペースがお互いに判って置いてきぼりになることもないからカップルはみんな手を繋いだり腕を組んだりして歩くのかな?




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