仮に君と恋をしたなら
「今、何で怒ったか言わねーと続き言わねーかんな。最後まで言わせてくんねーし、山田のノートの方が俺はいいと思ったのに」
「え…ごめん。悠と比べられて地味って言われるのかと思って、そしたら聞きたくないと思った」
「確かに、大塚のは女子って感じのノートだけど、山田のノートのが要点分かりやすくていいと思うぞ。あ、でも一番は前川かな」
う、ひと言余計…。
上げて落とすなよ。確かに、紫のノートは非常に見やすかった。きっと頭いいんだろうな。
他人の評価なんてどうでも良いけど、真山の評価は常に上位でいたいと思う自分がいることを知った。
「はいはい、続きお願いします~」
「あれ、まだ怒ってる?」
「もう、怒ってませんー」
「嘘、敬語じゃん」
怒ってはない。怒ってはないけど、拗ねてるよ。言わないけど。
「次は、私がノート貸す!」
「え?あぁ、そ?じゃー、次あったら頼むわ」
多分だけど、真山が紫にノートを借りたりしたら私、へこむと思う。
「よし、あとちょっとだ。山田かんばれ」
これも、今日新しく知ったことだけど、このアホの面倒は私が見たいとか思ってるんだ。