仮に君と恋をしたなら



帰り、飲み干した缶ジュースを店の前の自販機のゴミ箱に捨てて帰った。真山は私を家まで送ってくれた。



「明日、迎え何時?」

「え?」

「学校、一緒に行くかと思って」

「いいよ!悪いし。いつも通りで」



カップルが、一緒に登下校したりするのはよく見かける。でも、わざわざ朝早くに迎えに来てもらうのはやっぱり気が引ける。



「そ?じゃー、また明日な」

「うん、じゃーね」



私は、真山の背中を少し見送ると、家に入った。非日常にまだ慣れず、「ただいま」と、気の抜けた声を廊下に投げ、玄関に倒れ込んだ。



疲れた…愛育北公園恐るべし。

カップルって本当に周りお構い無しなんだな…私には刺激が強すぎた。愛育北公園だからというのもあるのか。私たちも可笑しな雰囲気に呑まれたりして、影響を受けていた。

暫くは行かなくていいかも。お腹一杯胸一杯だ。

私は、夕飯を少し残して部屋に入り、ベッドに横になった。そのまま寝落ちてしまい、翌朝いつもより早くに目が覚めた。


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