軍人様とキケンな婚前同居⁉︎







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「栗、帰ろっ!」

「ん。」







それから6限を終えて

私はいつもと同じように
栗と一緒に下校する。





栗とは家がお隣さんだから

栗の部活がない時は
いつも登下校が同じ。







…それで偶然、昨日部活で栗がいなかったから

私そのまま拉致されちゃったんだけど…。








「つかお前、普通に実家帰んの?」

「え?」

「軍人様と暮らすんじゃねーの?」









(…………あ)







あっ!!





そうだった、と

私は栗に言われてようやく気がつく。




同棲の自覚が無くて
ついいつも通りに……。








って、ん?









「あ……。」

「?どうした?」

「あの……
私今朝車で送ってもらったから…
帰り方が分からないの…。」

「………。」









私がそう言うと

栗は眉を寄せながら
今にも「え。」と言いそうな顔をした。







…大丈夫。
今君の言いたいことは分かってるよ。





『え、まさかの車送迎?』

『つか家の場所わからないってコイツ…』








…そう言いたいんだろう、栗さんよ。









「…こんなありえない理由でごめん…。」

「…自覚はあんのね。」









あぁどうしよう…


これは一旦実家に帰るしかないかな。






私はそんなことを思いながら

とりあえず、
栗と一緒に下駄箱に向かった。





そしてそこで靴を履き替えてから

隣の栗を見上げる。









「一旦実家帰ろうかな。
お母さんいると思うし。」

「あー、そうすれ……あ。」

「?」







私の言葉に栗はそう言いかけるも


顔を上げて 校門の方へ顔を向けると
途中で 言葉を止めた。









「……なぁ、お前のその"幸次郎さん"ってさ」

「ん?」

「もしかして、"真っ黒な鷹"みてーな人じゃねぇ?」









そう言って



栗は校門の方を指差して私を見る。





私はその例えに「え?」と返しながら

指差された先を
静かにたどっていき───










「………っ、え…!」










そしてその先にいた



『黒い鷹』を 見つけた。








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