[完結]甘やかし王子様が離してくれません。
そう言って頭を上げると、目の前にいる人は小さく笑って言った。
「だから気にしないでって。1年3組、橘木ましろ(タチバナキ マシロ)ちゃん」
……あ、れ?なんでわたしのクラスと名前を……。
疑問に思っていると、教科書拾いを手伝ってくれた人はわたしのバッグを指さした。
「教科書とノートに名前書いてあるの、見たから」
ああ、なるほど!!
「名字、長いね」
そんな言葉にわたしは思わず苦笑する。
「……よく言われます。“橘”で終わらせていいのに、って」