[完結]甘やかし王子様が離してくれません。




そう言って頭を上げると、目の前にいる人は小さく笑って言った。



「だから気にしないでって。1年3組、橘木ましろ(タチバナキ マシロ)ちゃん」



……あ、れ?なんでわたしのクラスと名前を……。



疑問に思っていると、教科書拾いを手伝ってくれた人はわたしのバッグを指さした。



「教科書とノートに名前書いてあるの、見たから」



ああ、なるほど!!



「名字、長いね」



そんな言葉にわたしは思わず苦笑する。



「……よく言われます。“橘”で終わらせていいのに、って」


< 6 / 360 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop