黒猫の香音(後編)
「…今迄黙っていて後免なさい、母さん…
でも、どうしても言えなかった、その方が普通に幸せに過ごせるんじゃないかって…
でも結局何も助けられなくて、状況は最悪な結末になった
…
私の所為だ…全部私が悪いんだ、だから…!」
「もう良いんだよ!」
そう言って美月は自分を責める娘を強く抱き締めた。
「…もう良いんだ、馨。
元はと言えば私達親の責任なんだ、こんなにも娘が苦しんでいたにも関わらず肝心な時に助けてあげられなかった…
私達こそ本当に後免ね…!」
「母さん…」
涙が止まらない美月に対し、其れに答えるかのように香音も何年か振りに母親を抱き締めた。