不器用な彼氏
結局、私はこの後、お昼を食べる為に立ち寄る予定だった最初の目的地に着いて、彼に起こされるまで、一度も起きることなく爆睡してしまった。
おかげで、すっきり目が冴えて、同時に、ちょうど良いタイミングで、空腹のお腹がグぅと鳴る。
そこでは、予定通り、事前に調べておいた、地元でも有名な新鮮な魚介類を使った“海鮮丼”を美味しくいただき、空腹を満たす。
食事の後、本当はその周辺にあるショップで、ゆっくりお土産でも見ていく予定だったのだけど、先ほどの渋滞が、思いのほか時間を要してしまった為に、食後は早々に、本日のメインである目的地、伊豆·三津にある水族館に、出発した。
しばらくは、左手に夏の日差しに照らされてギラギラ音がしそうな海岸沿いの道を走行し、途中県道に入るため右折すると、景色は一転して山道に入り、木漏れ日の溢れる森林の中を走ると、さっきまで聞こえていた波の音に代わって、今度は、夏特有の虫の音が、耐えることなく続いていた。