不器用な彼氏
適当な場所にシートを敷いて、二人横に並んで座ると、ちょうど斜め前方に、先程、湯処で出逢った京都女子がチラリと垣間見えた。
成程、彼女の言っていた通り、一緒にいる彼は、彼女より5~6歳は年上そうで、落ち着いた大人の雰囲気が漂う男性だ。
そして、どうやら彼女の浴衣作戦?も、うまくいったようで、小柄な彼女は、座る彼の膝と膝の間に、すっぽりと入り込み、後ろから彼が抱きしめるように重なりあって座っていた。
自信がないと言っていた彼女は、気が付いているのだろうか?
これから花火が上がるというのに、彼の眼には、自分の腕の中でコロコロと笑う彼女しか映っていないことを…。
『バカップルか?』
私が見ていた視線の先を追ったらしい海成が、呆れた声で、『暑苦しい』と毒つく。
『微笑ましくて、良いんじゃない?』
『冬ならともかく、今、真夏だぞ』
『え?冬なら良いの?』
『……真冬…ならな』
『良し!覚えておこうっと』
『アホかッ即忘れろ』
成程、彼女の言っていた通り、一緒にいる彼は、彼女より5~6歳は年上そうで、落ち着いた大人の雰囲気が漂う男性だ。
そして、どうやら彼女の浴衣作戦?も、うまくいったようで、小柄な彼女は、座る彼の膝と膝の間に、すっぽりと入り込み、後ろから彼が抱きしめるように重なりあって座っていた。
自信がないと言っていた彼女は、気が付いているのだろうか?
これから花火が上がるというのに、彼の眼には、自分の腕の中でコロコロと笑う彼女しか映っていないことを…。
『バカップルか?』
私が見ていた視線の先を追ったらしい海成が、呆れた声で、『暑苦しい』と毒つく。
『微笑ましくて、良いんじゃない?』
『冬ならともかく、今、真夏だぞ』
『え?冬なら良いの?』
『……真冬…ならな』
『良し!覚えておこうっと』
『アホかッ即忘れろ』