不器用な彼氏
さすがに少々からかいすぎたかしら?と、海成の右側の腕に寄り添うように密着すると、まっすぐ伸ばしたシートの上にある手の指先が、互いに軽く触れる。
触れた先から、伝わってくる想いは、決して怒りや拒否感などではなく、ほんの少しの照れ隠しと、私だけに許された安心感。初めて会った時に感じた、頑なに閉じられていた分厚い心の扉は、今や大きく開かれている。
夜空に描かれる、無数の光の絵画は、次々に色を変え、形を変え、観ている観客を飽きさせないように様々な演出が施されていて、気が付くと、あっという間に時間が経っていた。
火薬の匂いが漂う場内のアナウンスで、次が最後の大技であることを告げられる。
最初と同じように、会場全体がまた静まり返り、皆、一瞬たりとも見逃さないようにと、息を呑んで夜空を見上げる。海上内に設置された、いくつかの花火筒から、一斉に夜空を見上げて、真っすぐ閃光が走った。
何処までも伸びるそれは、頭上高くまで上がり、その一つ一つが、ほぼ同時に、はじけるように開花し、眩い光のオンパレード。
会場内が大きな歓声に包まれ、同時に、盛大な拍手が沸き起こった。
あまりの感動に胸が詰まる。
今、この瞬間、海成が隣にいる奇跡。
一瞬で消え去るこの花火のように、終わらせたくはないと、切に願う。
触れた先から、伝わってくる想いは、決して怒りや拒否感などではなく、ほんの少しの照れ隠しと、私だけに許された安心感。初めて会った時に感じた、頑なに閉じられていた分厚い心の扉は、今や大きく開かれている。
夜空に描かれる、無数の光の絵画は、次々に色を変え、形を変え、観ている観客を飽きさせないように様々な演出が施されていて、気が付くと、あっという間に時間が経っていた。
火薬の匂いが漂う場内のアナウンスで、次が最後の大技であることを告げられる。
最初と同じように、会場全体がまた静まり返り、皆、一瞬たりとも見逃さないようにと、息を呑んで夜空を見上げる。海上内に設置された、いくつかの花火筒から、一斉に夜空を見上げて、真っすぐ閃光が走った。
何処までも伸びるそれは、頭上高くまで上がり、その一つ一つが、ほぼ同時に、はじけるように開花し、眩い光のオンパレード。
会場内が大きな歓声に包まれ、同時に、盛大な拍手が沸き起こった。
あまりの感動に胸が詰まる。
今、この瞬間、海成が隣にいる奇跡。
一瞬で消え去るこの花火のように、終わらせたくはないと、切に願う。