不器用な彼氏

開け放たれた窓の外から、賑やかな子供たちの声が聞こえてきた。
光を含む、真っ白な布団の中で、ゆっくりと目を開ける。

滑りの良いシーツの上で、軽く身体を動かすと、なんとも言えない疲労感を感じ、昨夜の出来事が一気に蘇る。決して嫌な疲労感ではないが、全体的な身体中の倦怠感が否めない。

急激に押し寄せる恥ずかしさと共に、隣にいるはずの海成がいないことに気が付く。

そもそも今、何時なのだろう？

布団から顔を出して、辺りを見回すと、寝室の上にある、くつろぎのスペースで、コーヒーを片手に、窓から外を眺めるように佇む、海成を見つける。

胸元をシーツで隠しながらゆっくり起き上がると、その気配に気が付いた海成と目が合う。

『起きたか？』
『お、おはよう』

思わず声がうわずった。
海成だって寝起きのはずなのに、何かスッキリしているのは気のせいだろうか？