不器用な彼氏
『どうする?飯、行けるか?』
『あ、朝食!何時までだっけ?』
『10時までのはずだ。まだ充分時間はある』
『じゃ、すぐシャワー浴びる』

言ってから、自分がまだ何も身に着けてないことに気が付き、

『海成…ちょっと、上行って、障子閉めといて』
『なんで?』
『…き、着替えるからに、決まってるでしょ』
『は?今更だろ』

そう言うと、むき出しになった私の肩に触れ、『これだって俺が付けた』と、赤くなった口づけの後に、
軽くキスをする。

途端に蘇る昨夜の出来事。

『ちょっと、なッ…』

身体中が一瞬にして真っ赤になった気がする。
シーツの上で、逃げるように身体ごと後ずさると、笑いを堪える海成。

『冗談だ…上にいるから、早く着替えろ』

引き続き、海成は笑いを堪えながら、寝室を出て、障子を閉める。
シーツを握りしめたまま、高まった心拍数を落ち着かせるように、しばし呆然と羞恥に堪える。

恋人として、やっと一線を越えた私達。
目には見えないけれど、何かが変わったのだろうか?
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