浅葱色の妖
短気な土方さんは何も言わない男にしびれを切らしたらしい。




舌打ちをして彼に歩み寄る。





「何をやってんだって聞いてんだよ」




座り込んでいる男のすぐそばに土方さんが立っているというのに、彼はぴくりとも動かない。




まるで負けを認めているかのように。





「まさか脱走しようなんてぇんじゃねえよな?」





わかっているのにそう尋ねる土方さんの顔は不敵に笑っている。





自分が聞かれているわけじゃないのに、冷や汗が流れてしまう。
< 126 / 129 >

この作品をシェア

pagetop