Blue Snake
だいたいお前、私と話したの昨日が初めてだろ。
何で急に馴れ馴れしくなっているんだ。
「納得いかない」
私の言葉に清水凛は振り返って、口元に孤を描いた。
「ひひ。そーなんだー」
二の腕を握る手にさらに力が加わった。
「でも、どうして一ノ瀬さんに納得してもらわないといけないの?」
「え、」
「別に俺は君が納得しようと、しまいと、どうでもいい」
そう言って、奴はまた歩き出した。
「…自己中心的ですね」
私は目の前の背中に向かって吐き捨てるように言った。
すると奴はいつものように不気味に笑う。
「ありがとう」